30年近くサラリーマンをやってきて、会社勤めのメリット・デメリットについては、いろいろと身に染みて体験してきたつもりである。
私が新入社員として入社したころ(バブル期の終わり)と現在では、もはやまったく別の時代であるかのように、世の中が変わってしまった。
もはや、会社に留まることが必ずしも安定につながらない… どころか、下手をすると、傾きかけた会社や部署に残ることは、家族や自分自身の今後の人生を考えると、大きなリスクにもつながりかねない状況である。
IT系企業に30年近く勤めている私は、ごく平凡なサラリーマンに属すると思うが、それでも、私なりにいくつかの「激動の時代」を経て、今の自分にたどりついた経緯がある。
私の社内遊泳術が、果たして万人にとって参考にできるものかどうかは、いささか自信に欠ける。
だが、30代半ばに担当していたプロジェクト内で仕事を失い、そのまま職場の中に居場所がなくなって、いったんは工場勤務へと左遷されながら、自力で英語の勉強を続け、TOEIC(英語コミュニケーション力判定の国際標準テスト)で300点近いスコアアップを果たして、会社が経営資源を集中している海外ビジネス部門へと返り咲いた体験と、その過程で私が考えたこと、また試行錯誤しながらおこなってきた施策は、きっと何かの参考にはできると思う。
また最近では、仮に会社の中で出世の階段を昇っていけたとしても、果たしてそれが「人生の幸せ」とか「本当の自分」につながるのか、という問題も、以前より多くの人に切実な問題になっている気がする。
医療の充実によって、以前よりも老後は確実に長くなっている。会社を定年退職すれば、その後は引退して年金で暮らしていける時代はすでに終わったと言っていいだろう。
60歳で定年退職しても、そこから先、20~30年もの長い人生が残されているのだ。年金制度が崩壊しつつある現在、一部の幸運な資産家を除けば、とうてい退職金だけでやっていけない時代がやってきつつある。
サラリーマン時代には思うようにできなかった自己実現、自分自身の夢や目標をようやく実現できる、老後あるいはスピンアウトした後の時間を、どのように使うのか、また会社を辞める前に今からでも準備できることはないのか、ということも考えていきたいと思っている。
今まで、会社の中でタイムカードを毎日きちんと押し、決められた仕事を受け身でこなすだけで居場所があった幸運なサラリーマンには正直、定年退職後に自分自身でビジネスを立ち上げたり、軌道に載せて利益を出し続けることはかなり難しいと言えるだろう。
会社から放り出されてから、自分のビジネスを考えるのでなく、会社にいるうちから退職後のスタートアップをにらんだ計画を立てたり行動をとり始めておけば、後で大きなアドバンテージになることは間違いない。あるいはうまくいけば、定年退職を待たずに、会社を辞めて自分のビジネスを立上げ、自由な生活を手にできる可能性もある。
… と言った具合で、会社生活とか自己実現については、書きたい事はたくさんあるのだが、このブログではとくに
「本当の自分・自己実現のためには何をすればいいのか」
「自分の価値を向上させるために、会社をどのように活用できるのか」
という視点から、「投資」というキーワードでトピックをまとめていこうと思う。
「投資」と言っても、その対象は実に様々だ。
ここでは主に、「自分の価値を高めるために、自分自身のスキルアップや体験・経験のための投資」という意味で「投資」という言葉を使っているが…
「投資」と言えば、株式・為替(FX)など金融系や不動産などの投資を思いうかげる人も多いだろう。
生活するために給料を稼ぐのが主目的となってしまえば、会社に金で縛られることになる。
そうではなく、仕事を通じた自己成長を目指して、自分で仕事を選ぶ自由を手にするために、給料の額で一喜一憂しないだけの経済的な余裕を手にすることは重要なポイントだと思う。
副業を禁じる企業が多いことを考えると、サラリーマンが会社以外で金を稼ぐ数少ない選択肢として、そうしたいわゆる「投資」のノウハウを知っておくことは間違いなく意味があるはずである。
また、もし自分なりの投資ノウハウを確立して、安定して収入を得られるようになれば、安定した収入がなくなる老後の生活を考えるときにも、大きな安心を生むことだろう。
国民年金の崩壊が確実に予見できる現在、自分自身で「自分年金」を確保しておくことは非常に重要だと思う。
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