サラリーマンにとっての投資とは

私自身、サラリーマンなので、会社での自分の価値とか、仕事のスキルなどは軽視できない。会社で働く以上、比較とか競争は避けて通れない。

勝手にライバル視してくる連中、あるいはこちらでライバルと意識してしまう相手と、真っ向からやり合うにせよ、あえて相手が入っていけない領域を目指して肩透かしを食わせるにせよ、そうした相手と自分の強み弱みを比較したり、差別化を図ったりする努力は必要になる。

大学時代から会社でのキャリアプランを想定して資格を取得しているような若手社員や、即戦力の中途入社社員だけではない。

日本で言えば東大みたいな一流大学を卒業しているのに安い賃金でよく働くアジアやインドからの外国人社員までが入り混じり、昨今の職場はまるで群雄割拠の戦国時代のような様相を呈している。

そこで生き抜いていくには、客観的な視点からの自己分析tと、それにもとづいた成長戦略が必要になる。いわゆるキャリアプランと呼ばれるものだ。キャリアプランの作り方については、私自身、会社で教育を受けたり、カウンセラーに相談したりしてくみ上げた経験があるので、機会があれば紹介しよう。

ここで重要なのは、成長計画つまりキャリアプランを実現していくためには「自己投資」が欠かせないということだ。

分かりやすいもので言えば、スキルアップや資格取得だ。

自分が望む仕事を任されたり、今やっている仕事をもっと効率化したり、もっと次元が上の視点から眺めるために、自分自身の能力を底上げする。これは、サラリーマンであれば、多かれ少なかれ誰でも考えるし、努力している人も多い。

それ以外にも「サラリーマンが会社やプライベートの生活で生き延びて成長していくための投資対象」は、多岐にわたる。

いくら本人のスキルレベルが高くても、一緒に仕事をする他のメンバーとの関係が良好でなければ、空気が悪くなるし、パフォーマンスにも影響する。一緒に食事をとったり、時には呑みに出かけたりして、人間関係をスムーズにするといった時間とお金の投資も必要だろう。

あるいは、担当しているプロジェクトを円滑に進めるには、関連部署のキーマンとの関係を構築する必要があるかもしれない。そのために、相手の欲しい情報を提供してあげるとか、仕事に協力するといった時間と労力の投資が必要になるかもしれない。

また仕事ばかりしていては、家に帰ってからの余暇や、休日の生活が殺伐としてしまう。そうした精神状態は会社での日々の対応にも表れるから、できることならいつも元気で機嫌がよく、気分が安定している方が一緒に仕事をする方は居心地がいい。いい仕事やチャンスも回ってきやすいだろう。

そう考えれば、仕事を忘れてリフレッシュできる趣味や娯楽を持っていると、自分自身の精神状態に余裕ができるし、会社でも空気が煮詰まった時などに思わぬジョークやユーモアで、その場を和らげることができるかもしれない。

趣味がワインとかゴルフだったりすると、上司や重要な顧客と話があって、心理的な距離が縮められることだってあるだろう。

恋人がいれば、デートにだって行くだろうし、誕生日にはプレゼントも送らなければならない。休暇を取って旅行に行くこともあるだろう。愛によって支えられているにせよ、これらはすべて、他の誰かでもない「あなた」という人間を選んでもらうための「投資」である。

結婚するとなれば、結婚式や新居にも多額の「投資」が必要だ。

家族がいれば、その対応だって、時間や資金の「投資」になる。資格取得のための勉強や担当業種の知識を深めたりする読書に使える時間を、あえて意図的に、家族のために「投資」する。あるいは子供の教育費に「投資」する(散財なのかもしれないが)。

人間関係に必要なこうした費用を「投資」として考えるのは何かイヤらしい気もするが…

自分だけのために働いているよりも、妻や子供を自分の給料で養っているという自覚があった方が、仕事のモチベーションにもつながるだろう。人間、自分のためだけより、誰かのための方がガンバれる。そう思えば、家族と過ごす時間すら「投資」として考えても不自然ではないだろう。

そして、結婚や子育ての体験は、上司や同僚など仕事仲間との共通の経験として、親近感を深める貴重な話題になりうる。これを「投資」と思ってやるとイヤらしいが、仕事を通じたクールな距離感が対立を生んでしまうような環境では、こうした共通の体験や話題は「共感」を生むための大事な要素である。

このように、サラリーマンの生活において、時間や労力を「投資」する対象を考えてみると、実に多岐にわたることがわかる。だが、ここに「会社や家族を離れた、ホントの自分」とか、老後の安定や生きがいといったことを考えはじめると、さらに対象は広がる。

今の時代、年金の受給開始時期は先送りになるし、会社によっては退職金や厚生年金の支給額だって、老後の生活を送っていくには少ない場合がある。

会社生活で身も心もボロボロ(?)になって、定年退職になった後、まだ日々の生活のために働き続けるのはキツい… ので金融資産や不動産、あるいはビジネスなどに投資して、「自分年金」をつくって、働かなくても生活していけるようにしようと考える人も少なくない。

こういう「私設年金システム」をつくる場合、もちろん定年退職してからでは遅いので、会社で働いているうちに、少しずついわゆる一般的な意味の「投資」をはじめることになる。

株式や為替(FX)、不動産に投資して、成功しているサラリーマンは多い。こうしたサラリーマンにとっては、会社や仕事のための「自己投資」以外にも、日常的な話題として「株式投資」や「不動産投資」などを身近に意識していることになる。

老後の生活を考えて、ということでなくても、「会社にしばられずに、もっと自由にやりたい仕事をしたい」といったスタンスを考える場合も、経済的に会社の給料に依存しないでいれば、働き方の選択肢が増える、という理由で投資をしているサラリーマンもいる。

会社が望む仕事を率先して引き受けて出世して給与を上げる代わりに、投資によって会社以外から収入を得て、会社では自分がしたい仕事を選ぶ代わりに、出世や高給は期待しない、という生き方だ。

こうした生き方は、会社や職場の利害関係から一定の距離を保てるため、重責を背負うのに比べれると遥かにストレスが少なく、また自分の自由に使える時間も多い。こういう人たちはいずれ独立したり、自分の会社を立ち上げたりすることも多い。

話があちこちに飛んでしまったが、ともかくサラリーマンにとって「投資」というのは、非常に広い意味を持った言葉なのである。
このブログでは、サラリーマンにとっての「「投資」というトピックを

  • 「会社で生き延びて成長していくための自己投資」
    「会社や人生で自由を手に入れるための金融投資」
    「本当の自分を見つけて、より充実した人生をおくるための投資」
    「生きているという実感を味わい、楽しい人生を送るための趣味や娯楽」

など、様々な切り口で考えていきたいと思っている。
お楽しみに。

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